お互いのためと考えていても…

相手のためになると思って取った行動が、結果として相手を苦しめてしまうこともあります。特に、夫婦間ではとても多いケースです。
こうなってしまう原因は、独りよがりな考えにあります。相手にとってこれが良いことであると思い込むことによって、暴走してしまうことがあります。本当に相手のことを想うのであれば、相手が求めていることを知ろうとすべきでしょう。ここでは筆者の体験談も踏まえて考えてみましょう。

思い込みで妻を傷つけてしまった男の話

これは筆者の体験談です。私は夜勤が主となる仕事をしていました。収入は安定していましたが、生活スタイルは一般的な家庭とは大きく異なるものでした。当然、妻と一緒に過ごす時間もあまり長くはありませんでした。

妻はこの生活を嫌い、私に不満を漏らすことが多くなりました。しかし、私はその仕事が好きでしたし、なによりも家庭を支えるために十分な収入を得ることのできる代わりの仕事を探すことの難しさを考え、妻の不満を聞き流していました。

当時の私はちょっと古い考え方を持っており、男は十分な収入を得て妻との生活を支えるべきだと考えていました。ですので、妻の不満を単なるわがままであると捉え、決して受け入れようとはしませんでした。そんな生活を2年ほど続けてきましたが、ある日、妻の不満が爆発し、実家へ帰ってしまいました。

最初は、妻のために一生懸命働くことの何がいけないんだ、と妻に対する怒りさえ覚えました。しかし、よく考えてみると妻が私や家庭に求めるものは安定した収入ではなく、一緒に過ごすことであったことに気付きました。妻はいつも私に本音を話していたにも関わらず、それを受け入れるどころか、まともに聞こうともしていませんでした。とにかく安定した収入を得て、何不自由ない暮らしを送ること、これが妻にとっての幸せであると思い込んでしまった結果です。

この私の失敗は、激しい思い込みと、妻の求めることを理解しようとしなかったことにあります。私は妻のためだと考えながら、結果として多くのストレスを与え、傷つけてしまうことになりました。相手のことをどんなに思っていても結果として傷つけてしまっては意味がありません。まずは、相手の求めていることを知る努力を怠らないようにしましょう。